どん底薬剤師の這い上がり@帰ってきた太郎

〜 そして薬剤師業界の勃興へ〜

【コラム】アメリカ薬剤師と日本薬剤師の違い

はい。太郎です。

 

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今回はアメリカ薬剤師と日本薬剤師の違いです。ざっくりとですが違いを述べていきます。

 

大きく違うところは、処方の組み立てがあるかないかです。これが違うことによって大きく変わります。

アメリカの薬剤師では、医師が診断して疾患を決めて、薬の処方組み立ては薬剤師が任されています。調剤はテクニシャンという薬剤師とは別の職業の方が行います。テクニシャンは、薬剤師の代わりに処方に書かれた薬剤の調剤を専門に行います。

なので、薬剤師は患者さんの指導や処方組み立てに多くの時間を充てることができます。医師との話し合いをもって、処方を決めるので、立場が対等ですし、医師と同等の知識をもってしていないと仕事になりません。

 

アメリカでは薬剤師は人気の職業の1つです。年収も1000万近くあります。アメリカの薬剤師は、医師と共同で医療をするというのが特徴です。

 

一方

日本の薬剤師はどうでしょう。日本政府はアメリカ型の医療体制を目指して、テクニシャン制度の導入を図っている段階です。それにより、空いた時間を患者さんの指導に充てたいという意向でしょう。

しかし、薬剤の組み立てという処方権がないため、どうしてもアメリカ型には根本的になりにくい体質です。

 

日本政府は日本での医療を確立していけばよいとの考えかもしれません。さすがに、感覚としては処方権まで薬剤師が得ることはまだまだ考えられない雰囲気です。

処方権を得る前に、まずは医師とディスカッションするレベルが必要でしょう。

 

現段階では、医師の診断と処方に対する薬のチェックと患者さんへ薬のポイントの指導です。それが日本の薬剤師に求められている仕事です。それ以上仕事を広げると、医師の職域を抵触する可能性があるので、踏み込めないのです。

生活指導が薬剤師に求められてはいますが、医師も生活指導に深く介入している場合もあります。その場合は下手に生活指導を述べられないのです。

まずは医師の方針を患者さんから聞いたうえで、その方針はこのような意味ではないでしょうか?という答え合わせを薬局でする。もしそれでも分からない場合は病院に聞いてもらう。という状態です。

 

私はこういう指導をしたいのです!薬はこれに変えた方が良いと思います!は意識としてはよいのですが、いまの薬剤師界では潰れてしまいます。薬を決める処方権は医師にあるので、薬を変えようとするのは、処方権に抵触するからです。

 

今、日本の薬剤師にできることは、薬の知識を十分に得て、その高すぎる知識に医師が聞いてくる状況を作り出すことです。

薬は薬剤師だよね。という医療業界、世の中の雰囲気があれば、自ずと仕事が広がっていくでしょう。