【温泉薬剤師】僻地の業務とは
はい、太郎です。今回は村みたいなところの薬剤師の業務について、話していきたいと思います。
私はかつて温泉地の薬局の薬剤師をしていました。観光客は多いですが、住人はそこまでいません。なので患者もそこまでいないのです。
薬局は当然私1人。朝から晩まで薬局にいます。午前中は患者さんが来るのですが、10人ほど。朝の9時ころに一気に患者さんが来て、あとは暇になります。午後はほとんど立っているだけ。2.3人来て終わる午後もあります。
午後は、卸や業者が何時間とおしゃべりするのが主な時間です。その合間に患者さんが来る感じです。業者も暇なので、おしゃべりしたいのでしょう。患者さんとしゃべっている業者もあるくらいゆったりとしています。都会のようにせかせかした感じは全くありません。
薬局で1人で勤務していると、喋る人が、業者か年配の方だけになります。そうすると、知らず知らずの内にコミュニケーションが乏しくなるかもしれません。空いた時間などは、ネットサーフィンや外の眺めを見る生活です。誰からも何も言われず、孤独の日々。たまに来る観光客の患者さんが唯一若い人だったりするのです。
そして、時が過ぎるのがあっという間です。え、もう半年経ったの?というくらいすぐに過ぎ去ります。気持ちはゆったりしているけど、流れている時は早いという感覚です。周りの風景などはほぼ変化がないので、相対的に時が過ぎていくのが物凄く早いです。ぼやっとしていると、5年はすぐに過ぎ去ります。私は2年ほど過ごしましたが、本当にあっという間の出来事でした。
毎日同じ時間に薬局に行き、1人で薬局を空けて、そして同じ時間帯に家に帰る。そしてご飯を食べて寝る。そしてまた次の日。という感覚です。村みたいなところなので、娯楽もほとんどありません。ネットサーフィンとユーチューブなどが娯楽でしょう。
私は薬局を辞めるとき、かなり引き留められました。それはそうでしょう。ここに来る薬剤師はそうはいないからです。私の能力で辞めてほしくなかったのではなく、僻地に行く人間がいないからでしょう。
結局次の後釜は、重役のような人が来ることになりました。その重役もおそらく繋ぎで、また新人薬剤師を僻地に連れてきたらお役御免でしょう。
最初は、温泉地薬剤師というのは響きがよいと思うのですが、家族を持ったあとが手厳しいです。病院、学校、スーパーなどの基本的なインフラがほとんど揃っていないので、子育てには向かないです。地元がその村であるなら、地元のネットワークを使ってなんとかなりますが、全くの新参者ならば、僻地で生きていくのは覚悟が要ります。